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日本人の死因で最も多い病気はがんですが、その中でも大腸がんは年々増加しています。
臓器別の死亡者数でも上位に入ります。
2012年の統計では男性では肺がん、胃がんについて、3位。女性ではなんと1位です。
大腸ポリープの様な腺腫からがんになるものと、正常粘膜から突然がんが出来るものに分かれますが、大体は腺腫などのポリープを経過してがん化することが多いです。
食生活の欧米化に伴い、高脂肪の食生活が大腸がん増加の原因といわれています。
それ以外にも以下のような様々な要因が考えられております。
直接遺伝するわけではないですが、血縁の方に大腸がんの方がいる場合には早めの検査をお勧めしています。
また、大腸にポリープと呼ばれる良性の腫瘍がある人は、中にはがんになる人もいるので、定期的な大腸検査が必要ですね。
特徴的な症状はありません。
よっぽど進行した場合には、血便が見られますが絶対とはいえません。
また、下痢や便秘と言った便通異常もひとつのサインですが、必ずしもがんが原因とは言えません。
どちらかと言うと進行した直腸がん以外はあまり症状に乏しいので、積極的に検査を受けて頂くことがもっとも重要だと思います。
スクリーニング方法としては、便潜血が簡便ですが、最も正確なものは、大腸内視鏡です。
おしりからカメラを入れて腸内を直接みていく検査で、恥ずかしいと思われたり、辛いのでは?と思われ、なかなか受け入れられない方もいらっしゃいますが、以前とは違ってかなり検査は楽に出来るようになっています。
大腸内を綺麗にするために下剤を服用頂くなどの手間はありますが、以前とは異なり、飲みやすい下剤や、量も少量でいいものまで選択肢も増えましたので、検査を受けようと思った際には、ご相談頂ければ検査前の不安も解消できると思います。
下剤の種類についてはこちらで紹介しております。
また、不安や痛みがどうしても嫌な人には、軽い麻酔で寝た状態で検査を行えますので、少しでも症状があったり、気になる方は検査をお勧めします。
他には一見簡便に聞こえる、CTコロノグラフィーなどの検査もありますが、事前の下剤服用は行わなければならず、どうせなら治療を兼ねた大腸内視鏡が一度で観察、治療まで出来るのでお勧めですね。
早期発見出来れば、今はほとんどが内視鏡で根治できます。
以前はたとえ早期がんで見つかっても、大きさや瘢痕(以前に治療した場所の再発)がある場合には、手術になっていたものも、今では大腸カメラだけで治療できるようにもなりました。
また、内視鏡では不十分な場合でも、腹腔鏡といって、お臍の穴と2、3個の穴を開けるだけで腸を切除することも可能になってきています。
それでも不十分だったり、発見が遅く転移などのある場合には、開腹手術や抗がん剤の治療になってきます。
無症状のうちに早期発見することが最も重要なことですから、少しでも気になることがあれば、大腸内視鏡をお勧め致します。